<U-17W杯:日本1-0ロシア>◇1次リーグD組◇18日◇シャルジャ

 D組の日本はU-17欧州選手権覇者のロシアを破り、初戦を飾った。前回大会ベスト8の日本は前半15分にMF瓜生昴勢(福岡・筑陽学園高)のミドルシュートで先制し逃げ切った。大会は24チームが6組に分かれて1次リーグを行い、16チームが決勝トーナメントに進む。日本は21日にベネズエラ、24日にチュニジアと対戦、早ければ次戦にも1次リーグ突破の可能性がある。

 若き日本にとって最高の幕開けになった。前半15分、瓜生はゴールまで約25メートルの距離で右足を振り抜いた。「みんなから打て、の声が聞こえた。みんなの思いを乗せた」と言う豪快な弾道。この先制点で勢いに乗り、強敵ロシアに快勝。この大会で欧州勢から初勝利を挙げるとともに過去最高のベスト8以上に向けて、弾みをつけた。

 吉武博文監督(53)は「自分のインスピレーションを大切にしてほしい」と語る。育成年代の選手たちとっては判断力を養う貴重な場。瓜生のミドルシュートも相手守備の寄せが甘いところを、迷いなく狙ったのが実を結んだ。

 旗印とする球を保持し続ける戦術も通用した。特に前半は選手が最終ラインから各所で三角形をつくり、角度を変えるパスを連続させて揺さぶった。ボール支配率は62%に達し、体格面の不利を技術でかき消した。瓜生は「下でつなぐサッカーをすれば相手に持ち味を出させない」と胸を張った。

 2020年東京五輪を出場資格のある23歳で迎える世代の選手を含む。無限の可能性を秘める若者にとって、結果以上に経験が将来の糧となる。指揮官は「クライフのいた(1970年代の)オランダのトータルフットボールができればいい」と高い理想を掲げた。