日本代表が、初の1次リーグ「0封」で8強進出を決める。2連勝の日本は、まだ今大会でゴールを許していない。過去無失点で決勝トーナメント進出を決めた例はなく、史上初の快挙へ、正守護神のGK川島永嗣(31=スタンダール)は「我々はまだ突破が決まっていない。彼ら(ヨルダン)も同じ条件なので、激しい試合になる。突破を決めるために、全力で戦いたい」と気を引き締めた。

 苦い思い出がある。13年3月26日の14年W杯アジア最終予選。敵地アンマンで対戦した際には、DF吉田が1対1で完全にぶっちぎられて、痛恨の失点。1-2でまさかの黒星を喫した。悪夢を繰り返さないためにも、吉田は「(今まで)より難しい試合になるだろうし、カウンターを警戒しないといけない。90分間集中する」と自分に言い聞かせるように真顔で話した。

 3戦連続完封なら、2連覇に弾みがつく。代表主将としては元日本代表DF宮本恒靖を抜き、歴代最多56度目のキャプテンマークとなるMF長谷部は「それほど悪いイメージはない。先制点を取れれば、自分たちのペースになる」と指摘。さらに「相手の速攻を意識しながら、守備では粘り強く戦いたい」と戦略をイメージした。前日18日は長谷部の31歳の誕生日。川島ら同僚とメルボルンの繁華街に繰り出して、プレゼントを買ってもらったという。

 本田、岡崎、香川ら華やかな攻撃陣に負けじと守備陣も奮闘して、目指すは1次リーグ無失点突破だ。その先には、アジアの頂点が待っている。【益子浩一】