全国高校総体との2冠を目指す東福岡が、3-1で新潟明訓に快勝した。前回3回戦敗退で「夏冬2冠」を断たれ、リベンジに燃えるFW餅山大輝(3年)がハットトリックの活躍。ベスト16による今日3日の3回戦では同総体決勝の相手、市船橋(千葉)と激突する。

 東福岡FW餅山がハットトリックで快勝に導いた。後半27分に魅せた。MF中村主将のスルーパスをペナルティーエリアでドリブル突破してシュート。1度は相手GKに止められたが、スライディングで押し込みこの試合3点目を決めた。

 波に乗っていた。前半34分には縦へのロングパスを裏に飛び出して先制、後半6分には右CKをファーサイドから身長184センチの打点の高いヘディングで決めて2点目を奪った。1トップで体を張るエースストライカーは「初戦で得点できず悔しかった。この試合で先制から3点取れて率直にうれしい」。1回戦の遠野(岩手)戦でチーム最多タイ5本のシュートを放つも決めきれなかった。

 序盤は新潟明訓の速く激しいプレスに苦しめられた。だが徐々に強みの両サイド攻撃や、前線にボールを集め、餅山の得意とするポストプレーから流れを引き寄せた。森重監督は餅山について「(ポストプレーが)大きかった。あと2点は決められる決定機があったが、3点取ってますんで、かなり評価してあげたい」とたたえる奮闘だった。

 中学まで目立つ実績はない。性格はおとなしく真面目で父秀人さん(49)は東福岡進学に際し「入る前に大丈夫かと思った」と心配した。だが本人は「強いところで自分を試したい」と、部員300人近い名門に飛びこんだ。厳しい環境でもまれた結果、Jリーグのユースも参戦するプレミアリーグ西地区で得点ランク6位タイの8得点を記録。自信を胸に臨んでいる。

 今日3日の市船橋戦は、決勝で実現しても不思議ではない屈指の好カードだ。東福岡が2連覇を果たした夏の総体決勝戦の再現でもある。餅山は「必ず8強に行けるよう頑張ります」。強豪撃破で前回3回戦敗退で「夏冬2冠」を断たれたリベンジを狙う。【菊川光一】