青森山田が八戸学院光星を4-0で下し、20年連続22度目の選手権出場を決めた。開始早々、FW鳴海彰人(3年)が右足で先制。同38分にも鳴海がヘディングで2点目を入れた。後半も2点を挙げ、堅い守りとGK広末陸(3年)の好セーブで無失点。選手権初Vを狙う実力をみせつけた。青森山田はこれで県内公式戦320連勝となった。

 勝利への流れをつくったのは、ケガから復帰したばかりの鳴海だった。前半2分、味方のパスにうまく飛び出し、相手GKとの1対1から冷静に蹴り入れた。前半終了間際の38分にも頭で合わせ2点目。効果的な時間帯のゴールで相手にダメージを与えた。「自分の持ち味はスピードと跳躍力。最近不調だったが、2点を取れてよかった」と笑顔。8月末、試合中に右足のかかとを骨折。10月末に復帰したばかりだった。黒田剛監督(46)は「今日の鳴海は体の切れがよかった。フィジカルは強い。よくやってくれた」とたたえた。

 これで県内公式戦320連勝。17年間、負け知らずの圧倒的強さだ。だが、これで満足する青森山田ではない。目標の全国制覇へ向け、着々と強化してきた。Jリーグユースを含めた高校年代実力日本一を決める高円宮杯U-18プレミアリーグ・イーストで、3試合を残して現在首位。選手権と全国2冠も夢ではない。

 選手権では09年度に準優勝、00年度と前回15年度にベスト4。全国高校総体では05年に1度優勝しているが、選手権優勝が悲願だ。09年準優勝時のチームと比べ、黒田監督は現チームを「力では同レベル。守備力では今が上かもしれない」という。今大会は3試合を無失点で通した。

 昨年の選手権ベスト4の経験者は5人。主将のMF住永翔(3年)は「準決勝で敗れた悔しさは忘れない。初優勝を目指す」ときっぱり。黒田監督は「堅守速攻に磨きをかけ、悲願のVへ向けて、1つ1つしっかり戦う」と力を込めた。【北村宏平】