ベガルタ仙台はホームでサガン鳥栖と対戦し、4-1と完勝した。前半11分。DF古林将太(26)の右クロスをFW石原直樹(33)が右足で詰め先制。同34分にはMF野津田岳人(23)が移籍後初ゴール。後半9分にMF三田啓貴(26)、29分には再び石原が決めた。12位のままだが、9位鳥栖とは勝ち点2差。1桁順位は目の前だ。

 野津田が、恩師に成長を見せつけた。リオ五輪日本代表監督だった手倉森誠A代表コーチが視察する中、貴重な2点目を決めた。御前ゴールとなり「会いたかったけど会えなかった…。でもここから(代表へ)はい上がろうという気持ちで臨んでいた。本当に良かった」。五輪代表には選ばれなかった。しまいには広島で同期だった日本代表FW浅野がW杯進出に大きく貢献していただけに、燃えていた。

 鳥栖にはいい印象があった。15年10月のU-22代表合宿で対戦。相手はサブ組だったが、自身の真骨頂を披露。約35メートル離れた位置から、ロングシュートを決めた。「キーパーの頭上を越えて落ちるシュートで得意な形だった。ロングレンジから行けるのが、俺の力。次の試合でも見せなきゃ」。ホームで強烈なイメージを植え付けたかった。

 他にも見せどころ満載だった。三田のゴールは、自身のボール奪取からのカウンターから。代名詞のミドルシュートで惜しい場面もあった。ユアスタデビュー戦で、早くもサポーターの心をわしづかみ。「上を見てやれたらいい」。巻き返しへ、救世主候補が誕生した。【秋吉裕介】