公式戦5連敗中のFC東京が12日、小平グラウンドで監督交代後初の練習を行った。10日に篠田善之監督(46)が解任され、ヘッドコーチから昇格した安間貴義新監督(48)が初指導。甲府、富山に続く3クラブ目のJリーグ監督生活をスタートした。

 あいにくの雨だったが、エリアを狭く限定した4対4のミニゲームなどに取り組ませた。16日のホーム仙台戦に向けて、積極的に声を出しながらボール保持率を高めるトレーニングに着手。若手中心の最後のシュート練習まで見守った。

 10日の監督昇格後は「気持ちの整理がついていない」と取材に応じられなかったが、この日はしっかり対応。「篠さん(篠田前監督)を失った痛みは常に持ちつつ、FC東京への忠誠心と責任感を持ってやっていくしかない」と開き直り、今季リーグ終了までの残り9試合という暫定就任について「9試合の後、ここに自分のイスはなくなりますけど、クラブのために残りの試合を無駄にしてはいけない。選手の顔を上げさせて(来季に向けて招く)次の監督につながるようにしたい」と覚悟を決めた。

 当面は「あまりにも多い」と嘆く25戦31失点の守備を整備していく。失点を減らすために「後ろに下がるのではなく、能力ある選手たちのストロングポイントを生かしたい。もともとボールを持ちたい選手、積極的に攻めたい選手がそろっている。失点の少ないチームはボール保持率が高いというデータがあるし、出だしからボールを持たせたい」と攻撃的スタイルへの変革を宣言した。

 システムについては「後ろ3枚は、そのままいこうかな」と3バックを維持する構え。その上で「5-3-2だの3-5-2だの、そういった数字にはとらわれたくない。システムに縛られないよう、解き放ちたい」と自主性を促す。戦術を問う質問にも「陣形をホワイトボードに書けば空くエリアはありますけど、そこを走って埋める気があるかどうかが重要」と強調。「全員に同じ方向を向かせたい」と立て直しへの強い意欲を口にした。