ジュビロ磐田が、2006年度大会以来11年ぶりの8強進出を決めた。J3AC長野パルセイロ(長野)に1-0。後半7分、FW斉藤和樹(28)が飾った先制点で逃げ切った。10月25日の準々決勝では、横浜F・マリノスと対戦する。

 磐田が格上の力を示した。0-0で迎えた後半7分、MF太田吉彰(34)の右クロスにFW斉藤が反応した。ニアサイドに飛び込んでヘッド弾。逆サイドのゴールネットを揺らした。リーグ戦では6試合途中出場のストライカーが今季公式戦初ゴール。ベンチ前の名波浩監督(44)に駆け寄り、ハイタッチを交わした。

 J3長野から先手を奪うと、徐々にエンジンが掛かった。前半、5バック気味に守備を固める相手に苦戦していた攻撃陣が躍動を始めた。同11分にMF上田康太(31)が強烈ミドル。同20分には、左サイドを抜け出したMF松浦拓弥(28)が右足で狙った。いずれもGKに阻止されたが、追加点の雰囲気を漂わせた。

 守備陣も集中を切らさなかった。昨季まで長野に在籍していたGK三浦龍輝(25)は、試合前に「ステップアップした姿を見せたいと思う。それは勝つことが一番だと思う。絶対に負けられない」と話していた。その言葉通り、最後尾から守備陣を統率した。試合終盤の猛攻にも耐え、古巣を完封した。

 「リーグ戦につなげるためにも必ず勝ちたい」と話していた上田を中心にアウェーで格下の挑戦を退けた。11年ぶりの8強進出。同時に、現在2戦勝ちなしで迎える23日のリーグ大宮戦(ヤマハ)に向けても勢いをつける白星となった。【前田和哉】