湘南ベルマーレの曹貴裁監督(48)は28日、1年でのJ1復帰が決まったことを受けて東京・味の素スタジアムで行われた東京ヴェルディ対アビスパ福岡戦後、囲み取材に応じた。その中で、台風21号による暴風雨で24日に水没した、神奈川県平塚市の馬入ふれあい公園サッカー場天然芝グラウンドについて触れ、復旧作業に関わった人々の思いが、昇格を決めたチームの一体感の、後押しになったと感謝した。

 曹監督 今週は特に馬入が自然災害に遭って、全く1日も使えない中で、僕は仕事があって、ほとんど手伝っていないですけど、クラブのスタッフですとか、公式戦を控えたユース、ジュニアユースの選手、その親御さんとかサポーターの人たちが、たくさん来て…。そういうことだけで一体感は出来ないと思いながらも、昇格が決まった今、考えると、そういう人たちの思いのたまものだと思いますし。自分で何が出来たかどうか分からないですけど、彼らにありがとうと言いたいです。

 馬入練習場は、22日から23日にかけて日本列島を通過した台風21号の影響で、グラウンド横を流れる相模川から流れ込んだ大量の雨水などで24日に水没。芝の間に泥とヘドロが入り込んだピッチは水田状態で、ペットボトルなどのゴミや流木などの漂着物も堆積した。復旧活動は、24日にクラブが公式サイトでボランティアを急募し、28日夕方まで続けられてきた。

 連日、報じられる中で、湘南のサポーターはもちろん、他クラブのサポーターや普段、サッカーを見ない地域の住民が馬入に足を運び、復旧活動を行った。曹監督も練習後、馬入練習場に足を運び、サポーターに感謝の言葉を伝え、エールを送っている。

 真壁潔会長は同日、クラブ公式サイト内の「会長のPHOTO日記」の中で「今日もたくさんのボランティアの方々のお陰で復旧に向けて目処がたってきました」(コメントは原文のまま)と報告。ただ、29日には再び台風22号が接近する見込みで、予断を許さない状況が続いている。【村上幸将】