J2モンテディオ山形の木山隆之(たかし)監督(45)が16日、最終節となる19日のホームFC岐阜戦を前に、クラブハウスで今季の総括を行った。残り1節となり、現在は13勝17分け11敗の11位。就任1年目のJ2優勝どころか、J1昇格プレーオフ出場も逃した。来季も指揮を執る指揮官は「チームを来季も継続して強化していくことには責任を感じている。より強く、勝てるチームにしていきたい」と前を向いた。

 分岐点となった試合がある。今季ホーム無敗で迎えた第20節、6月25日の徳島ヴォルティス戦で前半に4失点するなど1-6で大敗。この試合から計4連敗で浮上のきっかけを失った。木山監督は「ミスもあって、崩れてから流れを止める力がなかった」と肩を落とした。また、最終盤での失点で同点に追い付かれ、勝ち点の上積みを逃し続けた。17引き分けはリーグ最多。昨年の愛媛でリーグ新の20引き分けをマークしていた同監督は「試合に勝つための能力が、まだまだ足りてない」と唇をかんだ。

 長年の課題である得点力不足も解消されなかった。FW阪野がチームトップの13点、FW瀬沼が同2位の9得点をたたき出したが、総得点は41にとどまりリーグ19位タイ。チーム3位がMF中村の4得点に終わり、木山監督は「点を取れる人間を増やしていかないと。ゴール前に詰めたり、得点の意識が少なかった」と振り返る。自慢のハードワークこそ展開できたが、決定力がものをいうゴール前では一転して、泥臭さが発揮されなかった。

 今季噴出した課題を糧に、来季3度目のJ1昇格に挑戦する。指揮官は「ホーム最終戦はいい形で終われるように」と来季を見据える。最終節に勝って、6戦連続勝ち点獲得で締めくくる。【高橋洋平】