今季限りで引退するアルビレックス新潟のMF本間勲(36)が28日、会見した。J1からJ3(栃木SC)まで、プロの第一線で18年間プレー。高卒ルーキーの00年から所属した新潟では約16シーズン過ごし、J1とJ2でリーグ戦316試合(J1は255試合)を経験した。「ミスター新潟」の呼称でサポーターに支持されたボランチは引退後もクラブに残り、サッカーの普及、育成に貢献する意向を明かした。

 本間の目は、真っ赤だった。「今シーズンをもって現役を引退する決断をしました」。冒頭のあいさつで話すと、次のフレーズが出てくるまで時間が一拍空いた。今季のリーグ戦出場は、すべて途中からで4試合。4月30日の第9節柏戦以来、出場機会はない。ピッチに立てないまま、18日の甲府戦でJ2降格が決まった。「チームが苦しい中、力になれなかった」と、現役を退く理由を話した。

 新潟がJ2時代の00年に加入した。高卒ルーキーで同5月4日の水戸戦に途中出場してデビュー。同7日の湘南戦で初先発初ゴールを決め、鮮烈な印象をサポーターに与えた。

 01年から指揮した反町康治監督(53=現J2松本監督)は本間のプレーを、中盤の底で献身的に働く元フランス代表MFマケレレ(44)にたとえたこともある。引退表明後に、自らの背番号15を新潟出身選手たちに「来年つけろ」と打診。ただ全員が「無理です」と尻込みするほど、新潟にとっては偉大な選手だった。

 来季からはスタッフとしてクラブに残る。「指導者に就くなら、いい選手を育てる育成で力になりたい」と言う。サッカー人生の第2章を迎える前に、12月2日にはホームで最終節のC大阪戦が控える。本間は「試合メンバーに入るためにアピールしていく」と最後まで、現役の役目をまっとうする。【涌井幹雄】

 ◆本間勲(ほんま・いさお)1981年(昭56)4月19日、胎内市(旧中条町)出身。中条サッカースポ少で小6年時に全日本少年サッカー16強。同年の全日本少年フットサル4強。習志野(千葉)2年の全国高校総体4強。新潟でのリーグ戦出場316試合はクラブ歴代1位。14年途中にJ2栃木に移籍。J3降格も経験して今季復帰。173センチ、67キロ。血液型B。