<半端ない青春~高校サッカー・クローズアップ>

 北陸(福井)は1回戦で日章学園(宮崎)に1-3で完敗した。5度目出場で待望の初勝利はならなかったが、17年夏の九州王者から得点を奪い確かな足跡を残した。

 松本吉英監督(57)は選手経験なしから指導者になり、Jリーグの監督を務めるために必要な最上位のライセンス、公認S級を取得した異色の経歴を持つ。コーチとして、元日本代表で横浜の監督も務めた水沼貴史氏(57)がベンチ入り。この「半端ではないコンビ」。まったく違う道を歩いてきたが、約1年に及ぶS級ライセンス講習会の同期生。同期で同い年、そんな縁で外部コーチとして水沼氏が招かれ、不定期の指導を受け4年目。1年間に40~60日、水沼氏が来訪することで強化を続けている。

 松本監督は「私が貴史さんの指導を受けて、選手が私の指導を受ける」と話すが、水沼氏は「僕とは経歴が違い過ぎるけど、指導者としてお互いに刺激をもらっている」と話す。日本サッカー界のど真ん中を歩いてきた水沼氏と、柔道、剣道、極真空手に打ち込んできた松本監督。手を取り合い、いつか「半端ない」成績を残す日を信じ二人三脚でやり続ける。【八反誠】

 ◆松本吉英(まつもと・よしひで)1960年(昭35)11月7日生まれ、熊本市出身。柔道3段、剣道3段、極真空手初段。教員となり、縁のなかったサッカー指導者となる。04年取得のS級受講同期には東京五輪代表の森保一監督、長崎をJ1に上げた高木琢也監督ら。家族は夫人と2女。血液型AB。