<半端ない青春~高校サッカー・クローズアップ>

 矢板中央(栃木)に惜敗した神村学園(鹿児島)のFW大山尚一(3年)は、奄美大島の朝日中3年時に全国駅伝に出場し、最終6区(3キロ)で7人抜きして区間賞に輝いた経歴を持つ。サッカー部引退後に、部員2人の駅伝部に助っ人として加入。その走りに陸上の強豪校から誘われたが、神村学園受験が決まっていたため全て断った。

 177センチの体を生かしたポストプレーに加え「走りでは絶対に負けない」と最前線での献身的な守備でチームをけん引。有村監督は「大山は駅伝で日本一(区間賞)。プレスを最後までかけ続けてくれる。いなかったら、ウチは入れられ放題でゴールを取られている」と評する。初戦で左足を相手に踏まれて歩けないほどだったが、ふくらはぎから足首までテープをぐるぐると巻いて3試合フル出場。清水エスパルス内定のMF高橋は「けがをしていてもあれだけ走れる。半端ないっす、本当に」と目を丸くした。

 今後は大学でサッカーを続けるつもりだ。箱根駅伝では朝日中の2つ上の先輩で、ともに練習したこともある川口竜也(山梨学院大)が4区を走った。舞台は違えど、これからも大山は走り続ける。