前橋育英(群馬)が上田西(長野)に6-1で完勝し、2大会連続の決勝に進んだ。FW飯島陸(3年)が2ゴールを挙げ、11年度の四日市中央工・浅野拓磨(現シュツットガルト)以来の大会通算7得点目を記録した。悲願の県勢初優勝を目指し、明日8日の決勝(埼玉スタジアム)で昨年7月の全国総体準決勝で敗れた流通経大柏(千葉)と対戦する。

 迷わず左足を振り抜いた。4-1の後半41分、FW宮崎のパスに抜け出した飯島は左角から一瞬ゴールを見た。コンパクトにミートさせたシュートは右ポストに当たりゴールへ吸い込まれた。前半27分にもゴールを決め「2点とれたのはよかった。ミスもあったので改善したい」と振り返った。

 0-5で青森山田に完敗した前回大会決勝から最も練習を重ねたのが左足でのシュートだった。毎朝6時25分の始発電車に乗って練習場に向かい、午後10時前に帰宅するまでボールを蹴った。G大阪に内定しているDF松田らを相手にして自主練習を繰り返した成果が出た。「自信を持って打てた」と胸を張った。

 流通経大柏とは今季3度対戦し、2勝1敗。敗れた全国総体は利き足の右足首を負傷し、出場できなかった。3試合で自身の得点はない。「自分が決めて貢献したい」。夏場は痛みを軽減させるため、練習や試合では右足を軸足にプレー。結果的に左足が磨かれた。チームに貢献できずに敗れた総体の悔しさを晴らすための最高の舞台が整った。

 今大会をここまで無失点で勝ち上がっている相手との決勝。それでも「絶対に点を取れない相手ではない。チャンスはくる。そこを確実に決めることが大事」と力強く語った。大迫勇也の大会得点記録に並ぶまであと3点。「1点でも多く重ねたい」と意気込む166センチのストライカーが、まだ見ぬ高みへチームを導く。【岡崎悠利】