ジュビロ磐田は鹿児島キャンプ6日目の1月31日、鴨池補助競技場で東海大熊本(九州1部)と練習試合(30分×3本)を行い、4-0で快勝した。0-0で迎えた2本目に筑波大から新加入のFW中野誠也(22)が2得点。MF山田大記(29)もネットを揺らすなど、今季の飛躍が期待される下部組織出身の2人が、キャンプ初実戦で結果を残した。

 順調な調整ぶりを印象づけた。MF山田とFW中野は2本目にそろって先発すると、まずは中野が魅せた。同1分、DFギレルメ(29)のクロスを左足で合わせて先制点。同26分にはMFアダイウトン(27)のスルーパスに抜け出し、左足で逆サイドネットに突き刺した。今季初実戦のヴィアティン三重(JFL)戦から2戦3発。中野は「周りとの連係が取れたことが収穫」と笑みを浮かべた。

 若きストライカーに刺激を受けるように、山田も続いた。同13分、自ら右サイドへ展開すると、ゴール前へ進入。DF桜内渚(28)のクロスを中央で合わせ、豪快に頭でたたき込んだ。「足に不安もなくやれているし、少しずつ体も動くようになってきたと思う」。現時点での手応えを示す今季“初ゴール”だった。

 試合後、名波浩監督(45)も「誠也はゴールに向かう動きだしの回数も良いし、大記もキャンプ前からずっと状態が良い」と、2人の名前を挙げて評価。鹿児島キャンプ初実戦での大きなアピールとなった。

 中野は筑波大4年時の昨季、関東1部リーグで歴代最多タイの20得点で得点王に輝くなど即戦力として期待が大きい。昨夏、ドイツ3部(当時2部)カールスルーエSCから古巣復帰した山田も、昨季5試合1得点と完全復調が待たれる。

 鹿児島キャンプでの実戦は、V・ファーレン長崎など残り4試合。山田は「もっと自分の良さを出して、チームの攻撃に深みを加えていきたい」。中野も「もっと自分を知ってもらえるように、続けていきたい」と言った。「トップ5」を目標に掲げる今季、躍進が欠かせない2人が順調だ。【前田和哉】