清水エスパルスは9日、鹿児島キャンプを打ち上げた。11日間を総括したヤン・ヨンソン監督(57)は、キャンプを総括し、「1ステップ上がった」「100点に近い」と評価。選手からも「すごく良い雰囲気」の声があった。チームは25日のリーグ開幕戦鹿島戦に向けて、2日間のオフをはさみ、12日から清水三保グラウンドで練習を再開する。

 鹿児島の暖かな日差しを浴び、選手たちは晴れやかな表情だった。約1時間の練習を終え、全選手を集めたヤン・ヨンソン監督が言った。

 「みんなが助け合った結果が、いいプレーにつながっている。1ステップ上がった」

 Jクラブ相手、3度目の練習試合で初勝利した岐阜戦を振り返り、チャンスの多さなど良かった点を挙げた。最後は「オツカレサマデシタ!」と日本語であいさつし、全員から拍手をもらった。

 取材陣を前にすると、キャンプを総括し「100点に近い。いいパフォーマンスが見られたし、選手の練習に取り組む姿勢も良かった」と評価した。8日夜には全選手とスタッフ約65人が参加し、鹿児島市内の焼き肉店で決起集会を行った。高木和徹(22)と新井栄聡(22)の若手GKコンビが即興コントで盛り上げるなど、チームの一体感がさらに高まったという。2季ぶりに復帰したMF石毛秀樹(23)は「盛り上がって、すごく良い雰囲気だった。チームとして、団結することが大事」と話した。

 だが、キャンプ中の練習試合は1勝1分け1敗。新監督が示した戦術の浸透に時間がかかっている。反省点も多かった。それでも、岐阜戦では攻撃の形が見えた。MF竹内涼(26)は「課題を修正できたのは全員の力。ピッチ内外でコミュニケーションを取ることが増えた」とチーム作りの手応えを口にした。

 ベースはできた。開幕まで残り2週間。あとは、静岡で磨きをかけるのみだ。【保坂恭子】