今季初の静岡ダービーを清水エスパルスが制した。ルヴァン杯1次リーグ初戦が行われ、ホームの清水が1-0でジュビロ磐田に勝利した。後半3分、MF楠神順平(30)のFKからFW鄭大世(34)がヘディングを決めて先制。1点を守りきり、1592日ぶりに静岡ダービーの勝利をつかんだ。

 オレンジの守護神GK西部洋平(37)がアイスタのピッチに帰ってきた。16年4月3日のJ2熊本戦以来、約2年ぶり。試合前のアップでグラウンドに姿を現すと、サポーターの「西部」コールに深々と頭を下げた。落ち着いた表情で試合に入ると前半8分には、バックパスを足元で受け、寄せてきた相手FWをフェイントでかわす冷静さを見せた。同26分には、右クロスに飛び出しパンチングでセーブ。「いい準備はしてきた。前半はまず無失点で、チームを落ち着かせたい」と話していた通り、ベテランの安定感を見せた。

 先発メンバーは、初勝利を挙げた前節リーグ戦アウェー神戸戦(3日・4-2)から11人全員を入れ替え、アピールを狙う選手たちが奮起した。同32分には、初先発のMF楠神順平(30)がドリブルで運び、シュート。同43分には楠神のCKにFW鄭大世(34)が頭を合わせたが、枠をとらえられなかった。

 エースが意地の1発を見せた。後半3分、鄭は楠神のFKに相手DFと競り合いながら頭を合わせ、ゴール右隅へ決めた。昨季チーム最多10点を挙げたが、今季リーグ戦では2戦連続で先発落ち。「焦るときではない。自分ができることを、地道にアピールするだけ」と燃やしていた静かな闘志を、ゴールに結びつけた。ヤン・ヨンソン監督(57)は高卒新人のMF滝裕太(18)、MF高橋大悟(18)を投入する積極的采配で、最後まで攻め抜き1点を守った。神戸戦に続き、公式戦2連勝。さらに公式戦の静岡ダービーでは13年10月27日以来約4年半1592日ぶりの勝利を飾り、リーグ戦へ弾みをつけた。【保坂恭子】