川崎フロンターレがMF家長昭博(31)の今季初得点などでガンバ大阪を下し、ホーム初勝利を挙げた。引き分けたACLメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)戦から中2日。体力配分を考えた試合運びで快勝し、2位につけた。今季のACLとリーグ戦で9得点を挙げ、得点者は9人。相手に的を絞らせない攻撃へ進化中だ。

 引き分け続きのモヤモヤを吹き飛ばす今季ホーム初勝利だった。前半8分にCKから先制すると、後半10分にはMF阿部の左クロスに、家長が遠いサイドで滑り込みながら右足で合わせ加点。家長は「阿部ちゃんがよく見ていてくれた。エリア内なので迷わず打った」と振り返った。

 残り30秒で同点に追いつかれた7日のACLから中2日。心身とも疲労を抱えていた。選手がこだわったのは「無失点で終えること」。体力と相談しながら攻撃にいけるときは前へ、守るべき時間帯は割り切って守ることを徹底した。家長は「内容はどうでもいい。勝つことが一番だった」。賢く戦い、リーグ戦18戦不敗とクラブ記録をさらに伸ばした。

 今季ここまでホーム公式戦は2分け1敗と苦しんだ。昨季のリーグ王者だけに周囲からの期待も大きい。家長は「勝って当たり前と思われているのはあると思う。引き分けでこれだけ(周囲から)言われるのもいいこと。勝ち続けて、勝つことが当たり前になるチームになれれば」と常勝軍団への道を思い描いた。

 今季はリーグ戦とACLの総得点は得点者と同じ9。MF中村は「誰かに頼るというチームじゃなくなってる。相手からすると、絞りづらい」と手応えを口にする。チームは試合後1時間で会場を離れ、13日のACLメルボルン・ビクトリー戦のためオーストラリアへ向かった。1次リーグ3試合で勝ち点1と厳しいが、家長は「3連勝すれば望みはある。しんどいけど、みんなで勝ち点3を取って帰ってきたい」と巻き返しを誓った。【岩田千代巳】