ガンバ大阪が2-0でジュビロ磐田を破り、長いトンネルをやっと抜け出して、今季初勝利を挙げた。リーグ戦では昨年8月の鳥栖戦以来、17試合ぶりの白星。02年から10シーズン、チームを指揮した日本代表の西野朗新監督(63)へ“就任祝い星”を贈った。

 長かった。試合終了の笛が鳴ると、GK東口ら選手はピッチに手をつき、喜びをかみしめた。G大阪の黄金期を築いた日本代表の西野監督へ、就任祝い星となった。

 代表の常連守護神は「ガンバの状況を脱したい気持ちしかなかった」といい、西野監督の教え子MF倉田も「ガンバの状況を打破することしか、考えていなかった」。西野監督への意識はなかったというが、全力を出した結果、約7カ月ぶりの白星につながった。

 東口は「1勝するのに長くて、なかなか勝てなくて。勝つことがこんなに苦しいと思わなかった」とポロリ。ホームでの白星は、大阪ダービー以来約8カ月ぶりになった。割れんばかりの歓声が久しぶりに大阪の夜空に響いた。

 暗く出口が見えなかったトンネルからようやく脱した。前半4分、MF遠藤がDFファビオへ正確な左CKを上げ、ファビオは頭で決めて先制。後半は磐田の猛攻に守備陣が耐えながら、同41分、FWファン・ウィジョが右足でシュートをねじ込んだ。無失点も今季初。攻守がかみ合い、レビークルピ監督は「まだまだ修正しないといけないところはあるが、この勝利が大きな勢いをもたらしてくれたら」と喜んだ。

 気持ちが前面に出た。この日は前線からプレスをかけて全員が攻守に奮闘。遠藤は「全員が悔しい思いをしていた。これを続けていけたら」と言い、倉田は「内容より全員で気持ちで勝てたことが良かった」。全員でつかんだ勝利だった。

 今季から追求する攻撃的なスタイルの復活も近い。「G大阪=攻撃」のイメージを作った人物こそ、西野監督だ。西野魂の“原点”へ戻り、まず1勝。ここからはい上がっていく。【小杉舞】