北海道コンサドーレ札幌のGKク・ソンユン(23)が、ホーム湘南ベルマーレ戦でリーグ3試合連続となる「0封」を演出した。試合終了間際まで0-0という緊迫した試合で、相手シュート10本をことごとくセーブ。守護神クの活躍もあり、チームはロスタイム弾で勝ち点3をつかんだ。開幕から1分け2敗と苦しんだスタートがうそのように、3勝2分け2敗とし、今季初めて白星を先行させた。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、GKクが一安心した表情を見せた。3月31日のアウェー鹿島戦から失点を許さず、J1通算50勝に貢献した。「前の守備がすごく頑張ってくれてる。(フィールドの)10人のおかげ」。3試合連続完封は16年7月25日のホームJ2岐阜戦以来。J1では、01年4月29日のG大阪戦以来となった。ゴールマウスを割らせなかった守護神はハードワークを惜しまない仲間に感謝した。

 気を抜けなかった。相手の湘南は前線からプレスを積極的にかけ、高い位置でボールを奪いカウンター攻撃を得意とする。「危ないシーンはほとんどなかった」と振り返るが「カウンターだけは気をつけていた」。特にDFの最終ライン3人には常に声をかけた。

 今オフ、イギリスに旅行に出かけ、プレミアリーグを観戦した。サッカーの本場の試合を肌で感じた。最高峰リーグの躍動感、会場の雰囲気に「素晴らしかった」と感動した。特に目を奪われたのはトットナムのフランス代表、ウーゴ・ロリス。同じポジションの世界的プレーヤーの一挙手一投足を見逃さなかった。「いつか自分もここでやってみたい」。たっぷり刺激を受けた。モチベーションを上げ、キャンプに入った。

 勢いに乗り、次節14日、アウェー柏戦に臨む。「まだまだ足りない部分はたくさんある。修正すればこれからもっと良い試合ができる」。安定感抜群の守護神は、敵地でもシュートを止める。【西塚祐司】