ベガルタ仙台はジュビロ磐田に0-3で敗れ、昨年10月24日の清水エスパルス戦から続いていた、公式戦ホーム不敗記録が10でストップした。MF梁勇基(36)をトップ下に配した新布陣で臨んだが、0-0で迎えた後半にFW松浦拓弥(29)に先制ゴールを許して相手を勢いづけると、立て続けにゴールを許し、今季最多失点で首位広島と勝ち点差は10にまで広がった。

 仙台は新布陣で臨んだが、少ない好機を逃し続けて、勝ち点3を逃してしまった。前半、相手DFギレルメ(30)のマークをかいくぐり、右サイドのMF蜂須賀孝治(27)が絶妙のクロスを立て続けに供給した。FW西村拓真(21)がダイビングヘッドで飛び込むも、頭をかすめる。FW石原直樹(33)は右足をいっぱいに伸ばしたが、あと1歩届かなかった。

 起点となる両サイドの蜂須賀、MF中野嘉大(25)が徹底マークされ、縦への推進力を封じ込まれた。敵将の名波浩監督(45)は「中野と蜂須賀のところでスピードが上がると、ボックスの中に迫力を持ってこられてしまう。そこでスピードを上げさせないこと。前半から我慢比べになると思っていたが、サポーターの声援を受け強さを発揮する仙台に、アウェーで3-0で終えられるとは思っていなかった」と振り返る。

 2トップでMF梁をシャドーに配した布陣で臨んだが連係面に課題を残した。MF中野は「パスコースがなくて、ドリブルかボールを下げるかしかなくて苦しかった。話し合ってバリエーションを増やしていきたい」と前を向く。MF梁は「ボールを引き出そうと意識したがシュートまでいくシーンが少なかった。チャレンジして結果が残せなかったので、個人的にも悔しさが残る」と、無念の表情で言葉をつないだ。

 仙台渡辺晋監督(44)は「磐田さんは守る方の我慢。我々はボールを動かす我慢。もっとテンポよくボールを動かせれば相手の守備組織も、もう少しほころびができたと思う。準備期間が短かったが、中央の花道を使えなかったことは残念なところ」と冷静に分析した。すぐに修正に取りかかり、次節に臨む。【下田雄一】