清水エスパルスは御殿場キャンプ最終日の4日、同市内で浦和と練習試合(45分ハーフ)を行い1-2で敗れた。課題の守備では安易なミスから失点。攻撃は随所でチャンスを作りながらも、FW鄭大世(34)がPKで挙げた1点にとどまった。チームはワールドカップ(W杯)中断前と大きな変化はなく、約2週後に迫ったリーグ再開戦へ課題を残した。

 キャンプの成果を示すはずの実戦で、大きな収穫は得られなかった。現状のベストメンバーで臨んだ浦和戦は前半12分にDFフレイレ(28)のクリアミスから先制点を献上。後半11分には自陣右サイドを崩されて失点した。同15分にFW鄭がPKを決めたが、反撃は1点止まり。鄭は「ボールを失わないようにしているだけの攻撃になってしまった」。リーグ再開に向けた強豪との貴重な実戦でも積極性を欠いた。

 控え組中心で臨んだ専大との練習試合も2-2の引き分けだった。ヤン・ヨンソン監督(58)は「今日は結果よりも内容を重視した」というが、戦術面やシステムに大きな変化はないまま敗戦。MF兵働昭弘(36)が入った後半37分以降に攻撃が活性化されたことが唯一の光明だった。

 チームはW杯中断期間中にJクラブでは最長となる16日間のオフを取った。シーズン中では異例の長期休暇を挟み、先月28日から御殿場キャンプがスタート。当初の日程も連日2部練習だったが「半日オフ」に変更された日が3度あった。キャンプ中は複数回ミーティングを行い、戦術面などの意思統一をできたことはプラス材料。ただ、コンディション調整には個人差が出ている。

 11日には甲府との天皇杯3回戦が控えており、18日のリーグ再開となるC大阪戦まで2週間を切っている。MF白崎凌兵(25)は「時間があるようで、ない」と危機感を募らせた。現在の順位は10位だが、J2自動降格圏の17位鳥栖とは勝ち点5差。再開に向けた練習は1日も無駄にできない。【神谷亮磨】