大分トリニータの片野坂知宏監督(47)は、大宮アルディージャに完封されての3連敗も「連敗は止めることはできなかったですけど、まだ取り返すチャンスはある。下を向かず、切り替えて準備させたい」と前を向いた。

 前半3分、DF黄誠秀が、ペナルティーエリア内に進入してきたMFマテウスの顔に手を当てて倒してしまいPKを献上。同4分にFW大前元紀に決められ、先制を許した。片野坂監督は「大宮さんは、アウェーの地で簡単に勝てる相手ではないと覚悟して試合に臨んだ。前半3分の失点を取り返すのがパワーを使う。苦しかった」と先制点が痛かったと吐露した。

 ワイドを広く使った攻撃サッカーで今季は上位をキープしているが、その攻撃を大宮の堅守に封じられた。片野坂監督は険しい顔でテクニカルエリアに立ち、全身を使って選手にゲキを飛ばし続けたが、特に前半はワイド攻撃がうまくいかなかったからか、両手を繰り返し、広げて指示を送ったものの実らず、失望感をあらわにする一幕もあった。後半は大宮を押し込み続け、同ロスタイムにもFW藤本憲明決定的なシュートを放つも、枠を外した。シュート数は5対4と僅差だが、後半は4対0の数字通り圧倒したが、決めきれなかった。

 前節まで3位だったレノファ山口FCも東京ヴェルディに敗れたため、得失点差3で2位はキープした。片野坂監督は「選手は切れず、準備したことをやってくれた。あと1歩までいったが、力不足で得点できなかった。積み上げ、連戦の中、やっていくしかない」と自らに言い聞かせるように口にした。【村上幸将】