ガンバ大阪宮本恒靖監督(41)が初陣で連敗を2で止めた。

 セットプレーから先制点を奪われるも、後半25分にサイドバックが定位置ながら、右2列目で起用したDF米倉恒貴(30)が同点弾。宮本監督が先発に抜てきした高卒2年目で、G大阪U-23を率いていた時に指導した“宮本チルドレン”のMF高宇洋(こう・たかひろ、20)も、J1デビュー戦で堂々としたプレーを見せた。

 指揮官は「選手が意欲や意識の高さを追って練習から取り組んでくれた。試合後のロッカー室でも、もっともっとやるんだ、という意識があった」と手応えを得た様子。愛弟子の高については「前半戦の戦いを見ている中で、中盤の守備が改善点で挙げられた。(高は)J3から(中盤の守備の)役割を与えてきていて、J1では初めてだったけど良くやってくれた」と起用理由を述べた。

 試合前から熱気が漂っていた。メンバー発表で宮本監督の名が放送されると、観客から割れんばかりの大きな拍手が起こった。サポーターの姿を見て、指揮官は「心強かった」と優しい笑みを浮かべた。

 試合は引き分けだったが、G大阪にとって大きな勝ち点1。MF倉田秋(29)は「全てが変わった。一体感もあって、全員で守備ができていた。ただ(練習期間)3日で変われるならもっと早くから変わらないとあかんかった」。MF遠藤保仁(38)も「(宮本監督は戦術の)約束事を守れなければ厳しく言う。褒めるときは褒めて厳しい時は厳しい監督。守備の約束事を意識してできたし、バランスは良くなったと思う」と収穫があった。

 J1、J2入れ替えプレーオフ圏内の16位のままだが、後半戦は始まったばかり。ここから宮本ガンバは追い上げていく。