J1ジュビロ磐田がホームで北海道コンサドーレ札幌を4-2で下し、2年連続の8強へ駒を進めた。前半9分にFW川又堅碁(28)が先制点を決めると、MF山田大記(29)も全4得点に絡む活躍を見せるなど、快勝した。J2自動降格圏の17位ガンバ大阪と勝ち点3差と苦戦が続くリーグ戦に向けても、大きな勝利となった。10月24日の準々決勝では、ホームでベガルタ仙台と対戦する。

FW川又が、鮮やかにゴールネットを揺らした。0-0の前半9分。中央から左への動きだしでマークを外すと、DF小川大貴(26)のスルーパスに反応した。左足で相手GKの足下を抜き、リーグ前節横浜F・マリノス戦に続く公式戦2戦連続ゴール。試合序盤にエースの役割を果たし、左手の人さし指を突き立てた。

試合前、名波浩監督(45)は「先制点が大事になる。チームにとって、それ以上の良薬はない。先に点を取ってアドバンテージをとりたい」と札幌戦のポイントを挙げた。狙い通りに先制点を奪うと、チームは優位に試合を展開した。

同11分。一時は同点とされたが、MF山田が魅せる。後半14分。キックフェイントで相手DFを外し、右足一閃(いっせん)。ニアサイドを豪快に抜いた。同24分に再び同点弾を浴びたが、同27分に自身のスルーパスがオウンゴール誘発。再び、チームに勝ち越し点をもたらした。

警告累積で30日のリーグ湘南ベルマーレ戦を欠場する山田は「自分にできることは少しでも良い形で勝って、リーグ戦に向けてチームに勢いを与えること」と臨んだ一戦。宣言通りの活躍で、チームをけん引した。

完全に勢いに乗ったチームは、直後に勝負を決めた。同31分、途中出場のMF荒木大吾(24)がドリブルから右足で決定的な4点目を決め、両軍合計6点が生まれた乱打戦を制した。

今季、公式戦で1勝1分け1敗だった札幌を下し、2年連続の8強進出が決定。同時に、現在4戦勝ちなしと苦しむリーグ戦に向けても、勢いを与える快勝となった。【前田和哉】