ベガルタ仙台のMF野津田岳人(24)が、明日29日のアウェー横浜F・マリノス戦で5月6日の湘南ベルマーレ戦以来15試合ぶりのゴールを決め、チームを勝利に導く。27日、仙台市紫山サッカー場で紅白戦を行い、主力組の3トップの右でプレーした野津田は、接触プレーでもアグレッシブに攻めるなどチームを鼓舞しながら、連係面の確認を行った。チームは現在勝ち点41で6位に位置するが、3位FC東京との勝ち点差はわずか2と拮抗(きっこう)している。レフティーの一撃で勝ち点3を奪い、上位浮上の足場を固める。

長期離脱から復帰した1日のホーム清水エスパルス戦から3試合スタメン出場を果たし、チームは2勝1敗。野津田のゴールへの意欲は、日に日に高まっている。15日のホーム東京戦では、押し込まれながらもFW阿部拓馬(30)石原直樹(34)とショートカウンターを仕掛け、相手オウンゴールを誘って勝利に貢献。攻撃サッカーを掲げてハイラインを敷く横浜を相手に、東京戦同様に押し込まれる展開が予想されるが、連動性が高まってきた3トップの仕掛けから、一気にゴールへの活路を見いだすつもりだ。

野津田 東京戦は押し込まれる展開だったので、相手の守備の穴を突いて、カウンターで敵陣に早くボールを運ぶことを意識して戦いました。ナオ君(石原)はしっかりボールを収めてくれるし、タクさん(阿部)はドリブルでボールを運べる。自分はボールを渡してついていってサポートするイメージ。お互いに動きは感じ取れているし、右サイドのハチ(MF蜂須賀孝治)との連係も上がってきている。ボールがこぼれてくることも意識して結果につなげたい。

リーグ戦は残り7試合と、目標のトップ5入りへ向けて最終段階を迎えている。勝てばACL(アジアチャンピオンズリーグ)出場圏の3位以内へ浮上する可能性も出てくるだけに、負けられない戦いが続く。豊富な運動量でピッチを駆け抜け、つなぎ役としてチームを機能させるのが野津田の持ち味。それだけに「コンディションは上がっているので頑張りたい。ここ3試合で自分もゴールに絡みたいという気持ちが高まっている。ゴール? 決めます」と決意するほど、高ぶっている。(ゴールの)演出家から主役へ、舞台は整った。【下田雄一】