FC町田ゼルビアが1日、サイバーエージェントの子会社になると発表されたニュースは、J2と言うよりJリーグにとって大きな話題となった。町田はホームの町田陸上競技場の収容人数が1万328人で、1万5000席以上に設定されている施設基準に満たない上、練習施設の基準に達せずJ1ライセンスが交付されなかったが、今回の件で一般からの注目も高まり、他クラブからマークされる存在となることは間違いない。

町田は現在、首位の松本山雅FCと勝ち点4差の3位につける。1分け2敗と苦しんでいるが、台風の影響で2試合消化が少なく、松本は充分、射程圏内にある。今節、ホームで対戦する9位モンテディオ山形とは2戦連続引き分け中だが、通算成績は3勝3分け1敗。唯一の敗戦は1-3で敗れた12年8月のアウェー戦のみと相性は良い。

5戦無敗で首位をキープする松本は、ホームで18位の愛媛FCと対戦する。愛媛には公式戦で初対戦した12年3月のアウェー戦に0-3で敗れたのが唯一の敗戦で、以後4勝6分け、10戦無敗をキープしている。ただ、GK守田達弥とともにリーグ戦35試合にフル出場し、前節9月30日の山形戦ではセットプレーからゴールも決めた、DFリーダーの飯田真輝が累積警告で出場停止となるのは、攻守において不安材料だ。

4連勝で松本と町田ともに勝ち点2差の2位に浮上した大分トリニータは、2連勝で19位に浮上し降格圏を脱した京都サンガとホームで対戦する。4月のアウェー戦での1-0勝利を含め、直近は1勝1分けと負けなしだが、それ以前は2分け3敗と5戦未勝利が続いた。9月30日のロアッソ熊本戦でヘッドで2ゴールを決めた、元日本代表DF田中マルクス闘莉王は要注意だが、9月29日の水戸ホーリーホック戦含め、4戦連続ゴールと絶好調のFW藤本憲明に期待したい。

町田と1差の勝ち点60には、4位アビスパ福岡と5位の東京ヴェルディがつける。福岡はホームで対戦する10位のファジアーノ岡山には、1勝2分けと3戦無敗。一方、東京Vはホームで対戦する14位ヴァンフォーレに1分け2敗と3戦未勝利。勝てば町田の結果次第で3位に浮上する可能性があるだけに、過去の対戦成績から浮かび上がる相性は、気になるところだ。

熾烈(しれつ)さを増すJ1昇格争いは、ディティールが勝敗を分ける。上位の各チームが、どちらの方向に転がっていくか…目が離せない。