柏レイソルDF鈴木大輔(28)は、湘南ベルマーレとホームで引き分けた試合後、14日のアウェー戦に向け「結果は勝てばいい。勝ちにいくだけだと思っています」と強調した。

この日は開始57秒にFW瀬川祐輔(24)のゴールで幸先よく先制も、同9分にFW菊地俊介(27)にミドルシュートをたたき込まれ、アウェーゴールを奪われた末に引き分けた。鈴木は「1-0がベストだったかなと思います。0で抑えることが出来なかったので…でも最低限、1点で抑えることが出来た。ポジティブに考え、次の試合に勝つことを考えたい。負けなかったことは良かった」と総括した。

前半9分の失点シーンについて聞かれると「あのシュートをフリーで打たれる前に、守備全体でスライドして、もうちょっと寄せられたのか、中盤のスライドはどうだったのか、自分がカバーしすぎていたのか…とか、細かいところはあると思う。ポジショニングが90分通して、ミスなしで出来たら、ああいうアンラッキーな失点はないと思う」とポジショニングのミスが要因の1つだと分析した。

一方で、今後に向けた好材料もあった。この日は8月8日の練習中に負傷し、左膝蓋腱炎で戦線を離脱し、6日のサンフレッチェ広島戦(3-0勝利)の後半27分に途中出場して5月20日の名古屋戦以来、約5か月ぶりに公式戦のピッチに立った、DF中山雄太(21)とコンビを組んだ。「雄太は、ボールを運んでゲームを作ったり、うまいタイミングで自分のところにボールを出してくれるのは相変わらずうまい。攻撃は彼のビルドアップのイメージを、自分が共有することを意識した。守備は相手のカウンターが速かったので、リスクマネジメントのところで話し合い、自分がなるべく声をかけるよう、良いバランスで出来た」と連携に好感触を得た様子だった。

スペイン2部タラゴナを退団し、9月9日のルヴァン杯準々決勝ヴァンフォーレ甲府第2戦が行われた試合前にホームで会見を開き、約3シーズンぶりとなる柏への復帰を発表した。そこからリーグ戦に4試合連続でフル出場し1勝2分け2敗、ルヴァン杯ではこの日、フル出場して引き分けた。復帰会見では「自分が入ったから特別、何かが変わるとは思っていない。守備の失点が急激に減るか…ということではない。ただ、経験を伝えたりとか、自分のキャラクターを前面に押し出し、チームの勝ちの可能性を上げることは確実に出来ると思う」と語った。

そのことを踏まえ、今の柏の状態と自らの手応えについて聞かれると「チームとして、良くなっていると思う。守備で良いリズムを作ることが出来る時間帯も増えたし、そこからショートカウンターでチャンスも作ることが出来ている。結果が欲しい感じ」と口にした。その上で「これまで勝ったり負けたりしてきた中で、連勝がない。チームとして勝ちを積み重ねて行ければ。今のチーム状況は良いと思うので、出来ると思う」と冷静な口調で語った。

そして湘南との準決勝第2戦に向け「やることは、そこまで変わらないと思っていて。勝ちに行くから前がかりになって点を取りに行くのかというと、そうじゃない。いつも通り試合に入って、状況に応じて攻撃的になるのか、守備的になるのか。決める必要はない…いつもどおりやれば」と、シンプルに勝ちを目指すことをポイントに挙げた。【村上幸将】