YBCルヴァンカップ決勝(27日、埼玉スタジアム)に進出した、J1湘南ベルマーレと横浜F・マリノスの前日会見が26日、埼玉スタジアムで行われた。

湘南GK秋元陽太(31)は、下部組織からトップまで12年、在籍した横浜と決勝を戦うことについて「ジュニアユース、ユース、プロ6年間、12年間お世話になったチーム。感謝しかない」と感慨深げに口にした。

秋元は会見で、自らの横浜でのキャリアを語った後「でも、僕はマリノスに所属していた時に結果を出せなかったので」と続けた。秋元は下部組織から2006年(平18)にトップチームに昇格した。下部組織時代からの1年先輩の飯倉大樹(32)が、07年にレンタル移籍先のJFLロッソ熊本(現J2ロアッソ熊本)から復帰すると、当時の守護神・榎本哲也(現浦和レッズ)と定位置争いを展開。08年には榎本が31試合に出場する中、秋元は同7月13日のアルビレックス新潟戦で初先発&出場すると3戦連続フル出場し、同年に出場がなかった飯倉を一時は上回ったが、同年10月のサテライトリーグ・ヴァンフォーレ甲府戦で左ひざ前十字靭帯を断裂し、全治8カ月の重傷を負った。

その後は、飯倉が守護神の座に上り詰め、秋元は翌09年、11年にリーグ戦1試合ずつの出場にとどまり、12年にJ2愛媛FCに完全移籍した。そして14年に湘南に移籍し、J2優勝とJ1昇格に貢献すると、翌15年には湘南がベルマーレ平塚から改称後、初のJ1残留の、守備の立役者となった。16年にFC東京に移籍したが、翌17年に1年で湘南に復帰し、その後は守護神として17年にもJ2優勝、J1復帰にチームを導いた。

秋元は「結果は出せなかったですけど、マリノスでの経験というのが(あって)今、サッカー選手としてやれているのは間違いないので、本当に感謝しかない。決勝の舞台でマリノスと戦えるのは、心からうれしいです」と笑みを浮かべた。

会見場の机の真ん中に置かれた、ルヴァン杯をつかみ取るのに必要なことは? と聞かれると、秋元は「目の前にあるんですが、試合になると遠く感じると思う。どれだけ近くに自分たちが進めるかは、自分たちのサッカーをすることだと思う。ここまで来たら湘南に持って帰って喜びを分かち合いたい。支えてくれている全ての人のためにも、優勝カップを持ち帰られるように頑張ります」と必勝を誓った。【村上幸将】