堅守を打ち破れ。クラブ初のアジアタイトルに挑む鹿島アントラーズは3日、ACL決勝第1戦でペルセポリス(イラン)をホームに迎える。相手は、ワールドカップ(W杯)ロシア大会でポルトガル代表FWロナウドのPKを止めたイラン代表GKベイランバンドを中心に堅守を誇る。16年クラブW杯で「クリロナポーズ」を披露したFW鈴木優磨やU-19代表から戻ったMF安部裕葵ら若い力で、節目の20冠目に向けて先手を取る。

待ちに待ったACL決勝の舞台。恐れるものは何もない。特にたくましい若手には。19歳の安部はひょうひょうと答えた。「僕はグラウンドとかスタジアムや雰囲気に、あまり影響されないタイプなので」。

10月31日のセレッソ大阪戦では起用された試合経験の浅い若手の闘志が勝利を呼び込んだ。ベンチで見守った22歳の鈴木が言う。「いい刺激になった。オレら出る選手がプラスに変えたい」。

複数得点、無失点、何より勝利が欲しいホームの第1戦。次は経験値のある頼もしい若手へと託された。

準決勝の水原(韓国)戦はホーム、アウェーとも打ち合いになった。だが、決勝のペルセポリスは完全に堅守のチーム。イラン国内のリーグ戦は9試合でわずか3失点(9得点)。今季ACLは12試合で6度も無失点試合を演じている。

その中心にいるのがGKベイランバンド。W杯ではクリスティアノ・ロナウドのPKを止めた男だ。ロナウドのファンで、16年クラブW杯で「クリロナポーズ」を披露した鈴木は「らしいですね」とつぶやいたが「取れるときは取れる」とひと言。来年のU-20W杯出場を決めたU-19代表から一足早く帰国した安部はいきなり先発が濃厚だが「時差はないので大丈夫。いいプレーは絶対しなきゃいけない」と自らに課した。

現在19冠の鹿島。DF昌子は「大事な20冠目に、ACLのタイトルを懸けて戦えるのは運命じゃないか。明日、抑える自信はもちろんある」と待ち望んだ。【今村健人】