長崎総合科学大付が初出場の浜松開誠館(静岡)を下して3回戦に進んだ。後半23分、右サイドからのクロスにMF千葉翼(2年)が強烈なヘディングシュートでゴール。フィジカルの強さを武器にしたDF陣が、最後まで追いすがる相手を封じた。

卒業後に湘南ベルマーレ入りが内定しており、所属していたセレッソ大阪ユースから昨年春から「移籍」した異色のMF鈴木冬一(といち、3年)は、最初で最後の選手権で意地を見せた。関東入りしてからインフルエンザ感染が発覚。元日だった前日にようやく練習に復帰したばかりで、本来の動きはできなかったが「得点にからむこともできたし、なんとかやれた。選手権は楽しもうと思っています」。前日に宿舎で「体調を崩したこともあって気合を入れました」と丸刈りしての試合だった。「(試合を観戦していた湘南の)曹監督から試合後『まだまだだな』と厳しい言葉もいただいた。次はしっかりとコンディションを整えてやりたい」と自身としての雪辱を誓った。

小嶺忠敏監督(73)は「鈴木はよくやってくれた。(得点した)千葉は交代しようというベンチの声もあったが、頭が強いがあるから代えられないと思った」と読みもズバリ。選手権で国見を率いて6度優勝した名将らしさも光り、3大会連続初戦突破を果たした。【浦田由紀夫】