秋田商が32年ぶりとなるベスト4進出を逃した。

勝てば2年連続4強入りを果たした87年以来の快挙だったが、相手が得意とするロングスローに翻弄(ほんろう)され、惜敗した。前半6分、左サイドからの相手スローインがゴール中央付近へ流れる。手でコントロールされたボールは、GK山口雄也(2年)の飛び出しをためらわせる微妙な位置へ。ヘディングからのこぼれ球をクリアしきれずに、ゴールへ押し込まれた。

失点後、持ち味の堅守で相手を封じたDF高橋海陽(3年)は「ボールが自分の目の前に転がってきたが、もっと体を張って食らいついていれば失点はなかったと思う」と声を詰まらせた。小林克監督(44)は「隙がないレベルの高い相手だと、スペースを見つけられずに、ただ蹴るしかない場面も多くなってしまった。プレッシャーがある中でも、組織でいなしながらボールを保持することができるようにしていきたい」と課題を口にした。

それでも、平成最後の大会で古豪復活。夏の高校野球に続き、冬のサッカーでも、秋田の高校生が全国舞台で快進撃を見せた。【下田雄一】