J1清水は11日、静岡市内で新体制発表記者会見を行い、川崎Fから完全移籍で加入したDFエウシーニョ(29)ら新加入選手4人が出席した。2年連続ベストイレブンを受賞したブラジル人助っ人は、昨年11月に急逝した前GMの久米一正氏(享年63)が獲得を熱望して実現。新天地での「タイトル獲得」を宣言した。チームは15日に始動する。また、今季のJリーグ開幕カードがこの日、発表された。

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DFエウシーニョはドタバタで会見に臨んだ。母国ブラジルからこの日来日。会場に到着したのは新加入選手紹介が始まる50分前の午後1時だった。それでも、時差ぼけを感じさせないりりしい表情で登壇。「みなさん、こんにちは」と、流ちょうな日本語であいさつすると、クラブに対する感謝の思いを語った。「清水でプレーできることはすごくうれしい。久米さんにも感謝したいです」。

2年連続でベストイレブンに輝いた助っ人は、今季補強の目玉だった。昨年11月に大腸がんで急逝した久米氏は、昨季のシーズン中に獲得を熱望。大榎克己現GM(53)が主導し、いち早く動きだしていた。Jリーグの他クラブも獲得に乗り出し争奪戦となったが、エウシーニョは「清水が一番早くオファーをしてくれた」。移籍決意の決め手は先手の交渉。亡き前GMの熱意が実を結んだ。

4年間在籍した川崎Fではリーグ戦120試合に出場。DFながら20得点を挙げる積極的な攻撃参加が最大の武器だ。昨季、チームはリーグ2位タイの56得点をマーク。エウシーニョの加入は、さらなる攻撃力アップを図るチームにとっても追い風で、大榎GMも「頼もしい助っ人が入ってくれた」と歓迎した。

今季の目標はリーグ戦での「トップ5」入り。エウシーニョは「清水でタイトルを取りたい。目標を達成できるように団結して戦っていきたい」と力を込めた。チーム始動は15日。勝つ術を知る期待の新戦力が、躍進を狙う清水を引っ張っていく。【神谷亮磨】

 

○…清水の左伴繁雄社長(63)は今季の目標を「トップ5」と宣言した。昨季はリーグ終盤に7戦負けなし(4勝3分け)の好成績を残し、最終順位は8位。今季は昨年の戦い方をベースに、守備力強化を図る姿勢を示した。スローガンは昨年同様「BACK TO THE BASIC 徹底」。左伴氏は「去年の延長線上にあるチームで今季をスタートさせていけば、結果につながると思う」と強調した。大榎GMも「優勝やACLを頭に入れながら、トップ5を狙っていきたい」と力強く話した。

 

○…昨夏のアジア大会サッカー男子で準優勝に貢献した清水DF立田悠悟(20)が、知事顕彰を受章した。他競技でメダルを獲得した選手らとともに授与式に出席。プロ2年目の昨季はチームでもリーグ戦25試合に出場し、レギュラーに定着した。2020年東京五輪出場も見据える20歳は「五輪だけでなく、A代表を狙っていきたい」と新たな目標を掲げた。