浦和レッズが昇格組の松本山雅FCに1-0で辛勝し、リーグ3戦目で初勝利を挙げた。

エースFW興梠慎三(32)が後半27分、今季の自身初得点となる決勝PKを沈めて13年連続ゴールを達成。カズら4人の記録に並んだ。チームにとってもリーグ戦初ゴール。苦手意識のあったGKとの駆け引きを制し、公式戦2連勝とした。鹿島も1-0で湘南を下し、今季初白星とした。

興梠は迷わずボールをセットした。MF長沢がハンドを誘って得たPK。FWナバウトら志願者を「俺に蹴らせて」と制し、短い助走からゴール右ギリギリに決めた。今季の公式戦5試合目で初ゴール。すべてに先発し「決定機を外し続けてきた」だけに「自分が蹴って決めて、勢いづけないといけないと思った」。エースの自覚で蹴り込んだ。

キックの前に松本GK守田に話しかけられた。3度目のPK対決。15年の1度目は成功したがコースを読まれ、16年の2度目は止められて勝利を逃した。「嫌な記憶を思い出してしまった」。試合後のシャワーで興梠と隣り合ったMF宇賀神も「蹴る時に『めちゃくちゃゴールが小さく感じた』と言ってました」と明かしたように、12年連続で得点してきた男にも重圧がかかったが、GKの“挑発”に「逆に決めてやろう」と燃えて動きを見極めた。

今年も興梠で勝った。浦和がリーグ戦で初勝利を挙げた試合、興梠は今年も含め3年連続で得点者になった。チームとしても、昇格組の松本に対し、強風下で泥くさいロングボール攻撃の末にPKをつかんだ。「内容が悪くても勝つことが大事。個人的にもモヤモヤした気分がすっきりした。取れば乗る。次の試合が自分でも楽しみ」。J1最長8年連続2桁得点への第1歩にもなった。【木下淳】