J2アルビレックス新潟はFC町田ゼルビアに1-0で勝ち、連敗を2で止めた。今季ホーム3戦目での初勝利ともなった。後半14分。MF渡辺凌磨(22)が、先制の決勝ゴール。Jリーグ初ゴールは、チームとしても、今季ホーム第1号になった。次節は中3日の7日にアウェー・ファジアーノ岡山戦。喜びに浸る暇なく、連勝に向け突っ走る。

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MF渡辺凌が左足で放ったシュートはゴールの右サイドネットに飛び込んだ。0-0の後半14分だった。MF高木善朗(26)のサイドチェンジを右サイドで受け、DF1人をフェイントでほんろう。寄ってきたDF1人もかわして、左足を振り抜いた。昨季の最終節以来の先発でJリーグ初ゴール。貴重な得点が連敗を脱する祝砲になった。

前節アウェー徳島戦(3月30日)では後半から投入されて45分間プレー。片渕浩一郎監督(43)は「ダイナミックな動き。ゴール前の嗅覚。彼の良さが出た」と渡辺凌に一定の評価をしていた。しかし無得点にクギを刺すのも忘れていなかった。「決めてこそ、初めて評価できる、本人には話した」。そんな監督の期待にこたえる貴重なゴールをだった。

普段の練習から「本気になって取り組んできた」と言う渡辺凌。公式戦のピッチでも躍動した。「試合に出してくれなければ、おかしいだろう、というくらいアピールしてきた」という積極性がゴールという結果になった。「コンスタントに試合に出て、シーズンを通して多くの試合に出れば数字もついてくる」と話していた男は、試合後「いい準備をして、もっと、もっと活躍したい」と言った。

1万人を切った8777人のサポーターが今季ホーム初勝利の目撃者になった。ホームの白星は昨年10月28日の第39節町田戦(2-0)以来。今季初先発の男が、シーズンを挟んで続いていたホーム連敗を4で止めた。【涌井幹雄】

◆渡辺凌磨(わたなべ・りょうま)1996年(平8)10月2日、埼玉県出身。前橋育英時代に世代別日本代表で活躍。13年U-17W杯では3得点を挙げ日本の16強入りに貢献。早大1年でドイツに渡り、17年にドイツ2部インゴルシュタットのトップチームに昇格。18年7月に新潟加入。176センチ、70キロ。