ヴィッセル神戸の迷走が止まらない。横浜に1-4で大敗し、リーグ戦での連敗はついにクラブワーストの7にまで伸びた。

前半31分にミスから先制点を許すと、後半22分にFW李に追加点をとられてから立て続けに失点。ロスタイムにFWウェリントンが1点を返したが、焼け石に水だった。吉田監督は、4月17日の就任後も続く泥沼状態に「足をつったり交代選手が出たり、徐々にバランスが崩れた」と厳しい表情で振り返った。

“銀河系軍団”となれるレベルの選手をそろえても、ピッチに立たなければ意味はない。話題を呼び続ける大型補強も、この日に先発したのはFWビジャだけだった。元スペイン代表MFイニエスタはコンディション不良で2試合ぶりにベンチ外。指揮官は「本人とも話したが、全然100%の状態でなく、チームに合流もできていない状況」と肩を落とす。元ドイツ代表FWポドルスキにいたっては4試合連続となった。

チームの核となる助っ人たちの出場が不安定なことで、チーム全体にちぐはぐさが否めない。MF西が「誰が(ボールを)持っても(周囲の)アクションも足りないし助ける動きも少ない」と話したように、ボールを持った選手が孤立するシーンが目立った。ビジャが懸命に前線からプレスに走っても追随する選手がおらず、試合中に両手をあげてフラストレーションをあらわにする場面もあった。

チームはけが人も続出し、遠征に参加したフィールド選手16人はベンチを埋めるぎりぎりの人数。これでも、現在プレー可能な選手全員だという。吉田監督は「いる選手でやっていくしかない」と力なく話した。夢のある補強が続いていることは間違いない。ただ現時点では「バルサ化」は頓挫している。【岡崎悠利】