J2アルビレックス新潟は東京ヴェルディと1-1のドローゲームを演じた。順位を浮上させるチャンスを逃した。後半7分にPKで先制されたが、同32分に得た右CKをMFシルビーニョ(29)がヘディングで同点弾。J初ゴールで追いついたが、ゲームをひっくり返すことはできなかった。対東京Vは、J1時代の04年5月2日に初顔合わせして以来、未勝利。通算5分け5敗になった。

東京V戦、初勝利の扉を新潟はこじ開けられなかった。未勝利の深い穴から抜け出せなかった。どうしても勝てない「天敵」にまた、勝てなかった。J1時代の04年5月2日のリーグ初顔合わせは0-1で敗れ、前回4月20日のアウェー戦は1-1の引き分け。区切りの10戦目も、ドローで勝利を遂げられなかった。カテゴリーが異なる期間はあったが初対決から5613日。15年と135日が経過した。

失点してから新潟にスィッチが入った。立ち上がりは我慢した。耐えた。相手にボールを保持され、自陣に押し込まれる時間帯が前半は長く続いた。忍耐が限界点に達したのが後半7分。DF堀米悠斗(25)がペナルティーエリア内で東京VのMFクレビーニョ(21)を倒してPKを献上。FWレアンドロ(34)にゴールを決められた。しかし、0-1からは新潟のペース。MFシルビーニョが同点ヘッドを決め、その後も攻撃の手を緩めなかった。

先発メンバーは勝利した前節ジェフユナイテッド千葉戦と同じだった。警告累積の出場停止が明けたボランチのMFカウエ(30)はスタメンから外れた。昨季からリーグ43試合連続で先発(うちフル出場42試合)してきたチームの心臓部を先発から外す大英断。吉永一明監督(51)は、あらゆる面から照らし合わせて先発メンバーをピックアップした。「(選手の)組み合わせは悩ましい。時間のある限り悩む」と攻守両面など熟考して選手を選び、配置した。「選手の良さを出す。チームとしての良さを出すために、どんな配置がいいのか、だいぶ考えた」。キーワードは「全員攻撃、全員守備」。カード初勝利はならなかったが、前半の我慢、後半の反攻はキーワードに合致していた。【涌井幹雄】