東京オリンピック(五輪)世代の川崎フロンターレMF田中碧(21)が、28日のホーム神戸戦で初心に戻ってスター軍団に挑む。

田中は4月のアウェー神戸戦で、神戸MFイニエスタに激しい守備でボールを奪うなど頭角を現し、5月のトゥーロン国際大会のU-22日本代表へと羽ばたいた。同大会でも日本の準優勝に貢献し、個人賞も獲得。著しい成長を遂げたが、8月17日の仙台戦以降、先発から遠ざかっていた。その中で、ホームの神戸戦に向け練習で主力組に入る場面もあり、再び先発のチャンスをつかもうとしている。

田中は「自分の中で何が足りないか、深く考えたきっかけになった」と振り返り「守備での戻りとか、細かい部分の作業ができていなくなっていた。自分にできることが増えて、いろんなことに挑戦して、大事な所をおろそかにしていた部分があったかもしれない。攻撃においてもあらためて、自分が出て行くことが良さ。自分の良さや、大事な部分は見直して、プレーで出していければ」と決意を口にした。

神戸は夏にDF酒井高徳を補強し、チームとしても連係面などに磨きがかかっている。18日の天皇杯では神戸相手に敗れた。田中は「質が高い選手たくさんいて、簡単にはいかない」と覚悟しながらも、イニエスタらスター軍団との対戦に「楽しみではあります」と心待ちにしている。

「自分は失うものがない。次元が違う選手たちですが、世界にはそういう選手たちがトップでやっている。そういう選手と台頭にやれなければ世界で戦えないと思う。自分がどれだけできるかが楽しみだし、やりがいがある」

田中が再びピッチで輝けば、ホームでの勝利と東京五輪への道が見えてくる。