選手らへのパワハラ行為で活動自粛中の曹貴裁監督に代わり監督代行を務めている湘南ベルマーレの高橋健二コーチが、この日限りで代行を終えることが6日、濃厚となった。

複数の関係者によると、曹監督はメンタル面で早急な復帰が困難なため、チームは暫定措置として新たな指揮官の招聘(しょうへい)に動きだした模様だ。

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湘南がついに決断した。川崎Fに0-5と大敗。前節ホーム清水戦(●0-6)に続き2戦連続で5失点以上と、Jリーグ歴代ワースト1位の不名誉な記録に並んでしまった。球際に厳しくアプローチする“湘南らしさ”を見せながらも、不用意なパスミスが多い上にシュートの精度が低く、ピッチ外での動揺がそのまま投影されたような内容。曹監督が活動を自粛して以降、リーグ戦2分け4敗と勝ちなしの悪い流れを断ち切るべく、暫定的に新たな指揮官を迎える方向だ。

試合後、曹監督をめぐる騒動が試合に影響したかを問われた高橋監督代行は「練習も手を抜かないでやっていると思うけど、メンタルのところは(影響は)なくはないかと思う」と率直に明かした。この日の敗戦により、16位鳥栖と勝ち点31の得失点差マイナス18で並んだが、総得点の差でなんとか降格圏を免れているという苦しい状況だ。それでもMF梅崎は「周りが騒がしいけど、振り回されている僕らが弱いと思う。この状況をサポーターは諦めず、ずっと声を出してくれている」と前を向いた。痛みとともに湘南は立ち上がり、前に進もうとしている。