プレナスなでしこリーグ1部で現在8位のマイナビベガルタ仙台レディースが30日、勝ち点1差の9位AC長野パルセイロ・レディースと1部残留を懸けて、アウェーで直接対決に臨む。残りは2試合で、長野に勝利すれば残留確定。敗れると2部2位と入れ替え戦を行う9位に転落する。

最終節は首位の日テレ戦が控えており、残留には負けられない1戦だ。創設時から在籍するGK斎藤彩佳(28)はゴールを死守し、大きな白星をつかみ取る意気込みだ。

シーズン序盤は新加入のGK池尻凪沙(22)にスタメンの座を奪われ、ベンチで戦況を見守る機会が多かったが、第6節伊賀戦で今季初先発して定位置も奪取。前々節の日体大戦ではDF佐藤楓(27)が奪った1点を粘りの守備で守り抜き、今季リーグ戦初完封勝利に貢献した。「決して良いゲーム内容ではなかったが、楓が取った1点を全員で耐えて守りきった点は良かった」と振り返った。

前節の新潟戦は一転して4失点。混戦の残留争いで痛い敗戦を喫した。昨年は最終節で千葉に勝利し、辛うじて残留圏内の8位に浮上。昨季から主将を務めるMF安本紗和子(29)は「直接対決が残っていることは救い。どんな立場であれ、勝つためにチーム一丸となって戦いたい」と前を向く。

長野戦は14日に予定されていたが、台風19号の影響で順延に。斎藤は出身地である千葉や、常盤木学園(宮城)時代を含め11年間過ごした宮城が甚大な被害を受けたことに心を痛めた。「(試合会場の)長野県も被害を受けて、お互いが勝ちたい試合。大変な時に応援に来てくれる方もいるので、勝って喜んでいる姿を見てもらえるように絶対に勝ちたい」。勝利で残留を決め、被災地に希望の光をともしてみせる。【相沢孔志】