横浜F・マリノスは北海道コンサドーレ札幌に4-2で勝ち、今季初の4連勝で鹿島をかわして2位に浮上した。

序盤から鋭いプレスで圧力をかけると、前半2分にバックパスを受けた相手GKク・ソンユンのミスをFWエリキが見逃さずボールを奪い、無人のゴールへ先制点を流し込んだ。直後の4分もFW仲川のクロスにエリキが頭を合わせ2点目。23分にはピッチ中央でボールを持った仲川がドリブルで約50メートルを独走して3点目。打ち合いを制しての勝利に仲川は「圧倒して勝ち続けたい」と手応えを隠さなかった。

札幌戦での4点でリーグ最多を走っている今季チーム総得点を大台の60点に乗せ、昨季の56得点を3試合残して上回った。爆発力のある攻撃を支えるのは、他チームを圧倒する運動量にある。Jリーグが公開する出場選手の1試合平均値で走行距離は116・564キロ、スプリント数は193回。ともにリーグトップだ。流動的なポジション変更など運動量が求められる戦術をこなしながら、前線の選手には激しい守備を求める。後半途中に足をつったマルコス・ジュニオールは「相手に考える時間を与えないよう激しくボールを追うのはチームの決まり事」と涼しい顔で振り返った。

8戦負けなしの4連勝で15年ぶりの優勝に向けて勢いは加速する。最終節で直接対決する首位東京とは勝ち点1差。仲川は「目の前の試合にしっかり勝っていけば良い景色が見られると思う」と残り3戦に全てをかける。【松尾幸之介】

▼記録メモ 横浜FWエリキが開始4分で2得点。J1リーグ戦での1試合個人2ゴール目の時間としては、柏FWディエゴ・オリヴェイラ(現東京)が16年8月27日の川崎F戦でマークした前半5分を更新する最速記録。