松本が3連敗を喫して最下位18位に転落し、1年でJ2に降格することが決まった。就任8年目の反町康治監督(55)は「チームも私個人も力が足りなかった。危機感を持ってきたつもりだが、まだまだ力が足りなかった。我々をサポートしてくれた人に申し訳ない」と沈痛な表情で頭を下げた。自身の去就に関しては「ここでコメントすることはない」と明言を避けた。

神田文之社長(42)も取材に対応し「最終戦に集中したい。それ以降に監督とは話をして、早く(来季へ)スタートを切りたい」と話した。一方で「来季はJ2で当然、収入は減る。強化にかけるお金も減る。J1で戦いたい選手が出ていってしまうかもしれない。(松本で)勝負したい選手を獲得して、チームを作り替えるのは必要。いい意味で入れ替わりは必要」と話し、場合によっては大きな変革も覚悟しているようだ。

残り2戦で迎えたこの日は敵地G大阪戦で、序盤から総攻撃を仕掛けた。勝負の分かれ目は前半8分、FW永井のシュートが右ポストに当たり、先制点とはならなかった。その直後から前半だけで3連続失点。16位湘南も勝ったとはいえ、試合前の時点で17位だった松本も勝てば、J1参入プレーオフに回る16位に浮上できる可能性を残していた。この前半の攻め急ぎからの大量失点でゲームプランは崩壊した。

永井は「個人的にも前半はチャンスあった。責任は感じている」と言えば、後半終了間際に意地の1点を決めたDF水本は「結果がすべて。自分の力が足りなかった。90分トータルで見ると、1失点で我慢していれば勝つチャンスがあったはず」と、先制を許してからのさらなる失点を悔やんだ。

34歳のベテランDF飯田は、ホームで戦う次節12月7日の湘南との最終戦へ「悲壮感を漂わせて戦っても仕方がない。J1でやって(降格は)負けを認めるしかない。僕も松本でJ1としてやるのは最後になるかもしれない」と言葉を振り絞った。

松本は最近3年はJ2で戦っていたが、今季は4年ぶりにJ1復帰。だが深刻な決定力不足でこの試合を終えて、33戦でわずか20得点とリーグワーストを記録だった。