J2水戸ホーリーホックは2日、新監督に1996年(平8)アトランタオリンピック(五輪)日本代表で、指導者としても16年リオデジャネイロ五輪代表コーチを務めた、秋葉忠宏氏(44)が新監督に就任すると発表した。

秋葉新監督は現役時代はジェフユナイテッド市原、アビスパ福岡、セレッソ大阪、アルビレックス新潟、徳島ヴォルティス、ザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)でプレー。そして選手兼監督を務めたSC相模原で10年に引退後、翌11年に水戸のヘッドコーチとして指導者のキャリアを本格的に始めた。13年~14年には群馬の監督も務めた。

水戸で指導者を始めた11年は東日本大震災が発生した。秋葉氏は「水戸ホーリーホックというクラブは指導者としてのキャリアをスタートさせて頂いた私の中では思い入れのある特別なクラブです。コーチとして日々励んでいた2011年の3月には東日本大震災が起こりました。あの時はサッカーどころではなく、みんなで励まし協力し合いながら復興へと向かっていきました。1カ月の中断を挟みJリーグが再開されるとスタジアムに多くの人々が駆けつけ大きな声で声援を送って頂き、我々の背中を懸命に押して頂きました。その結果スタジアムが一体となり掴み取った徳島からの勝利の瞬間が今もまぶたと脳裏に焼きついています!」と当時を振り返り、水戸への熱い思いを語った。

水戸の沼田邦郎社長は11月、クラブ創設25周年を迎え、次なるステージへ向かうために、クラブ創設30周年となる2024年竣工を目指し、民設民営による新スタジアム建設構想を発表した。秋葉氏は「先日、沼田社長から夢のある新スタジアムの構想計画が発表されました。素直に心が震えました。素晴らしいトレーニング施設の次は県民みんなが集まり夢を共有できるスタジアムができるのかと。この夢の実現に私も関わり少しでも力になりたいと強く思い今回の監督を引き受ける決心をしました」と新スタジアム構想を含めたクラブのビジョンが監督就任の決め手だったと明かした。

秋葉氏は「この水戸ホーリーホックが多くの方々に夢と感動を与え地域や復興のシンボルとなっていけるように、そして日本を代表する選手を輩出しクラブとしても日本一、世界一となれるようクラブや選手と共に大きく成長していきたいと思っています。皆さん、来年も引き続き大きな夢を共有し実現させる為に共に歩んでいきましょう!よろしくお願い致します」と支援を呼び掛けた。

水戸は今季、1日のJ1参入プレーオフ1回戦で3位の大宮アルディージャに2-0で勝った、6位のモンテディオ山形と勝ち点70で並びながら、総得点3差でプレーオフ進出を逃した。9月にJリーグから発表されたライセンス判定では、条件付きでJ1ライセンスを取得し、J1昇格条件を満たせばスタジアムの短期改修工事を行うことになっていたが、7位で条件を満たさなかった。2季目だった長谷部茂利前監督は退任し、福岡の監督に就任が決まっている。