J2アルビレックス新潟田中達也(37)と矢野貴章(35)が18日、新潟医療福祉大で「人生の授業~プロサッカー選手を生きる~」と題し講演した。プロで10年以上のキャリアを積み重ねてきた2人がこれまでの経験をはじめ、ひとりの人間としての生き方、考え方を伝えた。

会場は200名の生徒で埋め尽くされ、2人は「試合より緊張する」。田中は05年、浦和レッズ時代にリーグ戦で負った右足首脱臼骨折を振り返り「引退がよぎった。ただ、出産間近の妻やチーム関係者が毎日病院に見舞いに来てくれ、リハビリにも耐えられた。あの出来事が自分を強くしてくれた」と語った。矢野は新潟の選手として初めて南アフリカワールドカップ(W杯)(10年)のピッチに立ったことを振り返り「選ばれたのは周りのおかげ」と、関わってくれた全ての人へ感謝した。作業療法学科1年遠山凌さん(19=新潟市出身)は「2選手の“感謝”というフレーズが心に響いた。当たり前のことに感謝しようとあらためて考えることができた」と感想を述べた。

注目される移籍について2人から発言はなかったが「必ずビッグスワンに戻って元気な姿をファンに見てもらいたい」と現役続行へ意欲を見せた。