J1清水エスパルスが団結して難敵を打ち破る。21日の天皇杯準決勝ヴィッセル神戸戦(ノエスタ、午後2時)に備え、21日は静岡市内で非公開練習を行った。

来季コーチとなる篠田善之監督(48)の主導で、セットプレーなどを確認。最終調整を終えると、主将のMF竹内涼(28)はチームの思いを代弁して決意を込めた。「監督とサッカーができるのもあと2試合。一緒に勝ちたい」。

篠田監督は今年5月にコーチから監督に昇格。一時最下位に沈んだチームを鼓舞し続け、12位での残留に導いた。苦しいチーム状況でも常に前向きな言葉をかけてきた指揮官に助けられた選手も少なくない。FWドウグラス(31)は「本当に素晴らしい方。いつもモチベーションを上げてくれた」。勝って、監督を決勝会場の新国立競技場に連れていく。チームの目標は明確になっている。

この日はグラウンドに散水。会場のノエスタに似た、滑りやすいピッチ状況で調整に励んだ。普段はめったに散水しないが、監督の要望に、芝の管理会社が快諾したという。篠田監督は「いい緊張感の中で練習できた。勝って、次に進むことだけを考えたい」と言った。勝てば、元日の決勝。結束する清水が最高のシナリオを目指して、最後まで走り続ける。【神谷亮磨】