初出場の今治東中教校（愛媛）が初陣を飾った。FC今治の岡田武史オーナー（63）が応援席から見守る中、FW高瀬太聖（2年）が2得点。守備陣も前線から積極的な守備で相手ボールを奪い、無失点に封じた。谷謙吾監督（52）は「初めてで失点0でいけたのは彼らがよく頑張ったから。足がつりそうなやつらばっかりだったんですけど、最後まで相手にいい状況を作らせないような前線の守備がまとまってできていた。『ああ、こいつら頑張っているな』とお父さんみたいな感覚で試合を見ていました」と満面の笑みを浮かべた。

岡田氏が地域全体で強くなろうと提唱する「今治モデル」の一環としてコーチを派遣されるなど、地域が一体となった強化で交流を図ってきた。「スタンドから（岡田氏の）プレッシャー感じました」とジョークで周囲を笑わせつつ「わがチームのように思っていただいてますし、我々は応えるべき、頑張るんだというスタンスができている。この年になって、新たなサッカーに取り組めていることが新鮮で。本当にありがたい環境をつくっていただいている」と感謝した。

応援席で見守った岡田氏は「谷さんが自分の力で作ってこられたチームだということは、ちょっと勘違いしないでほしいなと思います」と前置きしたうえで「今日はまだまだ東の本来のサッカーではなかった。初戦なので硬かったのかなと。もうちょっとできるんじゃないかなと期待していますけど、結果は大事なので勝ってよかったです」と初戦突破に笑顔。「FC今治のユースが強くなっても全国から人は今治に来てくれないけど、今治の高校が強くなったら若者が集まってくる可能性がある。すごくインパクトがあることだと思っています」と、今治東のさらなる躍進を期待した。