静岡県勢の12大会ぶり4強入りに、県協会2種(高校年代)の大川晃広委員長(54)も素直に喜んだ。

試合をスタンドで観戦。昨年まで県代表校が4年連続初戦敗退していた中での4強入りに「関係者は強い静岡をもう1度取り戻したいと思っている。1つのプレーでスタンドを沸かすのも静学らしさ。素晴らしい試合でした」とたたえた。

「サッカー王国」復活を目指す2種委員会は、昨年から強化プロジェクトを始動させた。同年3月には県選抜として欧州遠征を実施。ドイツやベルギーで名門クラブの同年代チームと試合をした。静岡学園からもDF阿部やMF松村優太(3年)ら主力数人に加え、川口修監督(46)もスタッフとして参加。欧州選手権予選のオランダ対ドイツなども観戦し、阿部は「すごくいい経験をさせてもらいました」。大川氏は「あの遠征で得たものがあったらうれしい」と語った。

今月10日からはU-18プリンスリーグ東海所属チームを中心に、各校から数人ずつを選び、県内で強化合宿を行う。この時期では初の試みだ。選ばれたメンバーは、11日の全国高校サッカー準決勝を現地で観戦する予定。大川氏は「選手権を生で見ることで感じるものがある。それが静学の試合なら、より刺激になるはず」と期待した。地道な取り組みから王国復活を目指していく。【神谷亮磨】