J2アルビレックス新潟は2月23日にアウェーの群馬戦(正田醤油スタジアム)で20年シーズンをスタートさせる。開幕まで1カ月。是永大輔社長(42)が社長として迎える2季目の心境、今季の戦い、そしてアルビレックス新潟の将来を語った。【聞き手=小林忠】

-社長2季目を迎える

是永社長 ドキドキしている。開幕前が1番楽しみ。今シーズンはアルベルト新監督を中心に面白い戦いができると思う。

-今季の戦い方は

是永社長 アルベルト監督は柔軟性があり自分のスタイルを押しつけることはない。昨シーズン終盤にチームが見せた戦い方に、プラスして自分の戦術を落とし込む。半面、勝つことにはシビアなので5バックもありえると話していた。かなり信頼できる。

-新加入選手は

是永社長 どの選手も監督が「絶対ほしい」と熱望した選手。監督はずっと動画を見ていた。新加入選手だけでなく、所属していた選手も動画でチェックしていた。

-目標はJ1昇格

是永社長 もちろんJ1昇格は早期の目標。J1チームとの差がこれ以上に開いてはいけない。毎試合勝ち点3を目指す。ただ目先のことだけ考えていてはクラブは本当の意味で強くならない。

-成長を続けるために必要なものは

是永社長 大金を積み、大物を獲得するクラブではない。これまで以上にアカデミーの強化が必要。昨年メソッド部門を立ち上げた。各カテゴリーの統一育成方式やトレーニング方法を構築し、アンダー世代からトップチームまでが一貫した新潟スタイルの構築を目指す。

-新潟スタイルとは

是永社長 今まで築き上げてきたところにボールポゼッションがベースで加わるイメージ。指導者が替わるたびにスタイルが変わっては強くなれない。

-メソッド部門開設の効果は

是永社長 プレーの状況判断、スピード、質に変化が見られ始めている。チーム戦術はもちろん、個人戦術の部分での変化。長い期間はかかるが必ずトップ昇格を果たす選手は増えていく。

-改革はさらに進めていくのか

是永社長 今が転換期。今、手を付けなければ手遅れになる。自分たちが行っていることは100%正しいと覚悟をもって取り組んでいる。

-クラブの未来は

是永社長 30年にはACLの出場権を争えるクラブになる。

-クラブと地域との距離が縮まっている

是永社長 地域、企業とともに歩んでいる日本一のクラブと胸を張って言いたい。新潟県全市町村ホームタウン化をはかったり、昨年の地域貢献活動の数は1890回ぐらいになったと思う。これはJクラブではトップの数ではないか。

-新潟県民、サポーターに対する思いを

是永社長 これまで以上に選手のプレーを観戦したり、スタジアム内外で行われている多彩なイベントに参加してほしい。ぜひサッカーを生活の一部に!

◆是永大輔(これなが・だいすけ)1977年(昭52)5月10日生まれ、千葉市出身。昭和秀英高ではサッカー部に所属しポジションはGK。3年時には主将を務める。日大芸術学部演劇学科に進み、卒業後はゼットプロジェクト(現CWS BRAINS)に入社。08年に新潟シンガポール代表取締役に就任。16年12月にアルビレックス新潟の取締役に就任。専務取締役を経て、19年1月から代表取締役社長に。