ザーゴ新監督(50)を迎えた鹿島アントラーズに、変化が生じている。昨季まではメンバー外のみで行っていた試合当日の午前練習に、ナイターの場合はメンバーも参加する方針であることが26日、分かった。

またアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフのメルボルン・ビクトリー戦(28日、カシマ)を2日後に控えたこの日は、昨季まで試合2日前恒例だった紅白戦を実施しなかった。試合に向けた実戦形式の練習はここまで行っていないといい、試合に向けたアプローチの部分にザーゴイズムが見え始めてきた。

MF土居は「ザーゴ監督は(要求が)細かく、きっちりしている。ピッチ外でもクラブハウスでの生活などに厳しい」と明かした。今季は練習開始1時間前にクラブハウスに集合することが義務づけられており、練習前の過ごし方から指揮官が目を光らせている。

8日の始動から、宮崎キャンプの移動日を除いてここまで休みゼロ(一部選手は16日から合流)。始動からわずか3週間で迎えるシーズン初戦に向けて、急ピッチでチームづくりを進めている。ザーゴ監督は新体制発表会見で「理想のチームを作るための時間はない。オーガナイズは100%ではないかもしれないが、今できることをやる。(プレーオフを)突破すればチーム作りを高める余裕ができるので、そこからは違う取り組み方でやっていきたい」と話していた。現状のチームづくりは暫定ともとれるが、新加入選手も多いチームに、みっちりと決まり事を落とし込んでいるようだ。

26日の練習では選手を2組に分け、交互に攻撃のパターン練習、セットプレーの守備練習を行った。「毎日メンバーが違う」と話している選手もおり、誰が出場するのかは、選手ら自身にも全く読めない状況だ。それでもDF町田は「選手としてはモチベーションが保ちやすく、競争が生まれて良い」と歓迎した。敗れれば「4冠」の夢がついえるシーズン初戦に向けて、鹿島は新たなスタイルで挑もうとしている。