全国高校総体(インターハイ)の中止によって、活躍の場を失った3年生にエールを送る「3年生へ」。今回は女子サッカー、なでしこリーグ・新潟レディース(L)のMF山谷瑠香(25)が高校年代の練習の重要性を話した。全国高校総体(インターハイ)で女子サッカー初実施は、北海道文教大明清高3年時の12年だった。初大会の出場は逃し、悔しい思いを味わったが高校時代の練習が今のバックボーンになっている。

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高校3年生にとって最後のインターハイ中止は非常に残念な結果だけれど、今まで積み重ねてきた練習は決して無駄にはならない。高校時代は練習前に全員で輪になって体幹トレーニングをやっていた。当たり負けしない強さは、そのときに身につけたと思う。北海道の冬は厳しくて、練習は体育館でやるけれど、狭いスペースで技術と判断の速さは高校時代に培ったもの。

新型コロナの影響でチーム(新潟L)の活動は止まっている。この時期は自分に足りないものを重点的にやってきた。家の中で筋トレと柔軟。1・5リットルのペットボトルに水を入れて筋トレ器具の代用にした。普段は意識していなかった柔軟性も、いい機会だからと高めている。サッカーの体力をつけることはできないけれど、最低限の体力維持のため、屋外では走り込みを続けていた。高校生も「今だからできること」を見つけてほしい。

私が高校3年のときから始まった女子サッカーのインターハイには出場できなかったけれど、その前年まで同時期に行われていた全日本高校女子選手権には北海道代表として1、2年生で出場している。高校時代に常に意識していたのは、なでしこJAPAN入り。インターハイが中止になっても目標を持つことは大事だと思う。大学で続けるとか、次のステップもある。この状況にめげずに頑張ってほしい。(アルビレックス新潟レディース 山谷瑠香)

◆山谷瑠香(やまや・るか)1995年(平7)2月10日生まれ、北海道出身。北海道文教大明清高-新潟医療福祉大。ポジションはMF。サッカーは北小樽スポ少で小4から開始。高校1年の全日本高校女子選手権・道大会決勝はハットトリックで室蘭大谷に6-1と快勝。16年国体は新潟県成年女子メンバーとして優勝。17年新潟L入り。昨季なでしこリーグ1部18試合のうち16試合先発、1試合途中出場で2得点。164センチ、55キロ。血液型A。