「静岡ダービー」の開幕戦は、アスルクラロ沼津が2-1で藤枝MYFCに逆転勝ちし、2季ぶりの白星発進となった。1点を追う後半にセットプレーから2得点。DF尾崎瑛一郎(35=静岡市出身)が、PKを含む1得点1アシストの活躍で、勝利に貢献した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で約3カ月半延期されていた開幕戦は、無観客での開催。異例ずくめとなった。

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沼津が鮮やかな逆転勝ちで宿敵を退けた。1点を追う後半32分、左CKからDF藤崎智貴(25)が、ヘディングで合わせて同点とした。同38分には左サイドを崩し、PKを獲得。キッカーのDF尾崎が左上に決めて勝ち越すと、その後はリードを死守。無観客でも白熱した藤枝との「静岡ダービー」を制した。

藤崎は「この1勝は大きい」と喜びをかみしめた。コロナウイルス感染拡大の影響で開幕戦は約3カ月半延期。一時は開催も不透明だったが、チームは前向きな姿勢を保ち、調整してきた。今季から今井雅隆新監督(61)が就任。ボールをつなぐ新スタイルを浸透させた。「後半は自分たちのサッカーを表現できた」と満足げ。中断期間を有意義に使い、練習を続けた成果を大一番で発揮した。

試合前にはピッチに散水。ボールが動きやすい環境を整えて戦った。ホームでは初の試みだったという。尾崎も「いろんな人が試合開催に向けて動いてくれていた」と、クラブ一丸での勝利を強調した。開幕戦での勝利は2季ぶり。今井監督は「これからもっと改善して戦っていきたい」。待ちに待った一戦で「新生沼津」が確かな1歩を踏み出した。【神谷亮磨】